油彩を始めたばかりの方が最初に戸惑うのが、メディウムの種類の多さです。リンシードオイル、ダンマルワニス、テレピン油、アルキドメディウム。それぞれ何のために使うのか、どう組み合わせるのかがわからないまま、とりあえず一種類だけ使っている方も多いと思います。この記事では、代表的な油彩メディウムの役割と使い方を、制作の流れに沿って整理します。

メディウムを使う目的

油彩メディウムを使う目的は大きく三つあります。一つ目は絵具の伸びをよくすること、二つ目は乾燥速度を調整すること、三つ目は完成後の光沢や表面の質感をコントロールすることです。メディウムなしで絵具をそのまま使うこともできますが、重ね塗りを前提とした制作では、各層の乾燥速度と油分量を意識することが、後々のひび割れや剥離を防ぐことにつながります。

リンシードオイルの基本的な使い方

リンシードオイルは最も基本的な乾性油で、絵具の伸びをよくし、乾燥後に硬い皮膜を形成します。冷圧搾のものは黄変が少なく、コバルトブルーのような青系顔料に向いています。使い方は、パレット上で絵具に少量混ぜるか、筆を湿らせる程度に使います。量が多すぎると乾燥が遅くなり、ひび割れの原因になります。下層ほど少なく、上層ほど多くというファットオーバーリーンの原則を守ることが重要です。

テレピン油の役割

テレピン油は揮発性の溶剤で、絵具を薄めたり、筆を洗ったりするために使います。乾燥後は揮発して消えるため、油分を加えずに絵具を薄めることができます。下塗り層ではテレピン油だけで薄めた絵具を使い(リーン)、上層に向かってリンシードオイルの割合を増やしていく(ファット)のが基本です。精製度の低いテレピン油は不純物が多く、長期保存で変質することがあるため、精製テレピン油を選ぶことをお勧めします。

ダンマルワニスの使い方

ダンマルワニスは、完成後の保護ニスとして使うほか、メディウムとして絵具に混ぜて光沢を出すためにも使います。乾燥後の表面が均一な光沢になるため、マットな部分とグロスな部分が混在する「沈み」を修正するのに有効です。ただし、ダンマルは経年で黄変する性質があるため、長期保存を前提とした作品には使用量を最小限にすることをお勧めします。

メディウムの使い方に正解はありませんが、ファットオーバーリーンの原則を守ることで、後々のトラブルを大幅に減らせます。具体的な使い方に迷ったら、Cobalt Shadowbrook の実店舗またはお電話でご相談ください。